Neutral

アクセスカウンタ

zoom RSS サイソンブンへ その2

<<   作成日時 : 2005/10/08 23:19   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 3

画像
ホテルに荷物を置いた僕は、取り敢えず町を散策してみる事にした。

ホテルのすぐ目の前には山が迫っていて、そちらには行けそうもないので、反対方向に進む。
しばらく行くと大きな広場と市場があり、そこが町の中心だとわかった。
市場の周りには個人商店やレストランもいくつかあり、一応、食べるには困らなそうである。

しかし、撮るべきものは特にない。
ここも、よくあるラオスの田舎町で、板を張り合わせて造った住居や店が並んでいるだけで、街中はあまり絵にならなさそうである。
写真を撮るなら町外れまで行き、山や川など自然を相手にしたほうがいいだろう。

ちょうど、モン族の正月が始まるシーズンらしく、民族衣装で着飾った女性が何人かいたので、彼女らと市場の風景を少し撮り、再びさっき来た道をホテルの方向に戻る。

と、

突然、バイクに乗った青年に呼び止められた。

「サバイディー」(こんにちは)
「チャオ・パイ・サイ?」(どこに行くの?)

「いや、初めて来たんでわからないけど、山の写真を撮ろうと思って…」

「ふ〜ん」
「一緒に警察に行かない?」

「?」

どうもあとから思えば、彼は秘密警察のような人かもしれない。
市場に行った時、或いは僕が空港に着いた時から、僕の行動を監視していて、何かあったら警察に連れてくるように言われたのかもしれない。

言葉使いは丁寧だが、なんで?と言っても、
「まあまあ」
と、強引にでも連れて行きそうな感じで、決して断らしてはくれなかった。

仕方なく、彼のバイクの後ろに乗り、高台にある警察署に行く。

学校みたいな造りの警察署には太った警察官がいて、僕を連れてきたバイクの彼に
「ご苦労」
といったような言葉をかけると、彼はそのまま帰って行った。

で、何がなんだかわからないまま、取調べが始まった。

まず最初に言われたのが、パスポートの提示。
僕がパスポートを渡すと、彼はパラパラとページをめくりながら
「何しに来た?」
と、僕に聞いた。
「遊びに」
他に答えようがない。
「ジャーナリストか?」
「いや、違う」
「何を撮った?」
「フィルムを出せ」
ここまできて、ようやく彼が何を気にしてるかわかってきたので、先手を取って自ら答える。
とにかく愛想良くしているしかない。
「女の子と市場の写真しか撮っていない」
「僕はラオスが好きで何度も来ている」
「ラオスの事情もわかっている」
「警察や軍のものは撮らない」
知ってる限りの単語を使って、自分が如何にラオスやラオス人が好きか、警察が困るような事はしないというような事を説明する。

そんな調子で長い事話をしていると、彼も段々と本音で話をするようになった。
彼が言うには
「君がここを他の人に紹介する事で、ここに来る外国人が増えると困る」
「カメラは特に禁止していないが、ビデオの持込みは禁止されている」
「軍のものは絶対に撮らないで欲しい」

取調べは延々2時間も続いたが、必死に話し続けると、なんとかフィルム没収という事態だけは避けることができた。
それでもさっきみたいな彼がいる事を考えると、変な事をしたらすぐにここに戻されそうだ。

一応、見たかったプー・ビアの事も聞いてみたが、かなり離れていて町からは見えないとの事。
向こうに見える山を尾根伝いに登って行けば見えるかもしれないが、「バーンだぞ」と、彼はライフルを構える格好をし、「ほらっ」と言って尾根のほうを指差した。
僕がそっちを見ると、ちょうど兵士が山を登って行くところだった。
なるほど。

取調べが終わり、ホテルのほうに歩いていくと、先ほどと同じような場所でさっきの彼が待っていた。
「どうだった?」
と聞かれたので、警察官とのやり取りを簡単に説明した。

一応、(滞在する事だけかもしれないが)警察官の許しももらったという事で、彼に
「町が見渡せる場所はないかな?」
と聞いてみると、ホテルの前の岩山には登れるらしく、彼が案内してくれる事になった。
麓まで彼のバイクに乗せてもらい、あとは二人で険しい岩山を登る。

登る途中にはしっかりと見張りの兵士がいて、怪訝そうな顔をされたが、彼が
「ああ、自分が連れてくから大丈夫だよ」
と言うと、道を開けてくれた。

頂上付近はかなり厳しい道だったが、確かにここから町を一望する事ができた。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
photo・バナナ改めコットン・バナナですm(__)m
(ハンドルネームの使い分けを解消してます^^;)

この1枚を撮るために大変なご苦労をなさったんですね…。
ラオスを旅慣れたグッチさんでもこうした場面に遭遇してしまうとは。
もっともだから冷静に対処できたのでしょうが、私にはとても出来そうに無いです。

昨晩のシュワちゃんの映画ではないですが、日本が一番平和なんですね。

これからも寄らせていただきます。
コットン・バナナ
2005/10/09 11:09
期待した以上に緊張感がある内容でした。この一枚がそんな重たい背景があると・・・・。Gucciさんは修羅場をくぐっていそうですね。私にはとても真似できません。
ito-ani
2005/10/09 18:29
いえ、当の本人はなんの確証もないのに
「なんとかなるだろ」
と、あまり緊張感を持ってはいませんでした。
あとから考えれば、それが良かったのかもしれませんが^_^;
Gucchi
2005/10/10 00:44

コメントする help

ニックネーム
本 文
サイソンブンへ その2 Neutral/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる